うつくしいものをみる(1)

東京に戻ってからもう1週間過ぎていた。
いろんな物がスパイラルでやってきて一人でどんより鬱屈としていたのだけど、仲良しの人々とごはんを食べて話をしたら気が少し軽くなった。「気持ちが軽くなる」という感覚は本当にある。 でも誘ってもらった銀座でのお茶ものんちゃんから教えてもらった「マリー・アントワネット」のお茶イベントにも行けなかった。 ここ2日くらい気付いたら机で一瞬寝ている(エアポケットに落ちるみたいにガクンと)のでヘンな感じ。


こういう時は無性に美しいものを見たり読んだりしたくなる。何年か前にギャルソンとサラ・ムーンがコラボした『ハイファッション』の特集が突然見たくなって検索したけど出てこなかった。たぶんハイファッションだったと思うのに。実家にはあるはずなのが悔しい。 サラ・ムーンの「CIRCUS」は当時何必館に見に行った。ブレッソンはそこまでじゃないけどサラ・ムーンはすきだ。すごくきれいで切ない。
CIRCUS http://www.kahitsukan.or.jp/sarc.html


男性作家に硬質で幾何学な物を、女性作家に情感的で柔らかな物を求める傾向が自分にある。当たり前の分類と言われればそれはそうなのだけど、その傾向が極端であればあるほどいい。だからソフィ・カルや森茉莉が好きになった。 でもたまにこういう境界を軽々と飛び超える人がいて(男性なのに女性的な表現がとても上手な人とか。この間書いたWebデザイナーの西田さんとか、逆では現代作家の伊藤福紫さんとか)、そういう人は作品を見た途端に感動して、その後も長く好きになることが自分でわかっている。

ソフィ・カル http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/topics/9912/kato/kato.html
伊藤福紫 http://www.presskit.co.jp/presskit/gallery/gan/ito_fukushi/index2002.html