ピース主演「凜」＠神保町花月
ピース又吉さんが脚本、ピース主演の演劇を見に行く。まだ公演中なので詳しくは書かないけれど、とにかくそのクオリティの高さにびっくり。ふらっと行ってあれを見せられたらちょっとどうしよう、って思うくらいの迫力だった。死の匂いがするところもすごくよかったし。
大まかに言えば、寒村に伝わる神隠しの伝説とそこにやってきた一人の転校生の話。
宮沢賢治の「風の又三郎」やなまはげの伝説など東北系の民話を思わせるモチーフをベースに、友情や信頼、輪廻転生などのテーマが重層的に組み合わされていた。伏線がいろいろ貼られているのに「こう繋がるのか」という驚きで最後には解決されていたのがすごい。演劇外の人がやる演劇では割とそういうものが放りっぱなしにされがちなのだけど、この作品はすべてがそれなりに回収されていたので気持ちよく見られた気がする。
この脚本、又吉さんが一人で書いてるんだとしたらすごい才能じゃないだろうか。言葉使いはだいぶ青臭かったり（設定が中学生だから仕方ないのかも）、共通言語がないと通じないギャグ（ライス国務長官の件とか知らない人は笑えないよね）があったりしたけれど、そんな細かい部分もほとんど気にならない構成力。よくできた芝居だった。
ピースの二人はもちろん、ピクニックさんをはじめ出ている芸人さん全員が迫真の演技。個人的に一番よかったのは、ラスト近くのあるシーンで綾部さんが見せた表情だった。照明効果と相まって本当にゾッとした‥‥。それから一番噛んだらダメなところで噛んだゆったり感の人（笑）。
これで2,300円はかなり安いと思う。9日までやっているので興味のある人はぜひどうぞ。
