omodaka「競艇甚句」

友人が制作していたomodaka「競艇甚句」のMVが完成したらしい。コンテンポラリーダンスのダンサーさんを使ったすごくすてきな作品。寺田創一さんのomodakaって曲をちゃんと聴いたのは初めてだけど、どこか懐かしさの感じられる音かつ明るさがあってかっこいい。
普段コンテンポラリーダンスとテクノを合わせて見聴くことはあまりないので斬新だった(私が見たことがあるものの中では)。ラ・ラ・ラ・ヒューマンステップスがその昔MBVのケヴィン・シールズ制作の曲で踊っていたり、Rosasがジャズやライヒで踊っていたりすることはあるけど、純然たるテクノってないような気がするので*1
ダンスは基本的に加工しないでそのまま見ることが多いしその方がいい場合が多いが、このMVに関しては、加工することに意味がある仕上がりになっていた。映像にディレイを加えて時間をわざと歪ませることで、逆にポーズの異質さや美しさを際立たせ、水の粒が美しく跳ねたり軌跡を描くさまに強度を加えている。強調する部分と自然を生かす部分のバランス感が絶妙で、さすが映像をビートで刻むのが得意な人だけあると思った。

kyoteizinc (video mix) http://www.youtube.com/watch?v=JEfNoEYR2-8

競艇甚句/kyoteizinc(video mix)
omodaka(far east recording)/dir.: 木津裕史(P.I.C.S.)/dancer: 康本雅子
far east recording http://fareastrecording.com/
康本雅子オフィシャル http://yasumotomasako.net/

『映像作家100人 2008』に「PVTV」のOP映像や椎名林檎のMVなどの作品も載っていた。どれも彼らしくてすてき。

*1:と書いたら「ローザスはかなりテクノでもやっていて、1999年の作品「 I said I」ではDJの生演奏をやっていますよ。ローザスのイメージは日本人と西ヨーロッパではかなりギャップがあるかも」って教えてもらった。し、知らなかった‥‥。海外作品を例に出す時はきちんと調べないといけないなあ。日本で紹介されるという時点で、イベンターさんのフィルターが一枚かかっているという事を考えに入れていなかった。本当ならベルギーまで自分の足で見に行ければ一番いいんだけど。