八谷和彦「OpenSky2.0」展@ICC

theklf2007-02-08

  
左:M-01 1/5模型/中:M-01/右:M-02J(テスト実機)


もしくはロマンチシズムの極地。


ICCにて「OpenSky2.0」展を見る。90年代デジタルガジェット世代ゆえに彼が作る物はどれもが気になってしまう昔から大好きなアーティスト。古くは「視聴覚交換マシン」に「ポストペット」だったけど、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のボードを本当に作ってしまう「ジェットボード」辺りからだいぶポップなヨコ乗り系作品になってきてるのがまた格好良い。

今回はすっごく見に行きたかったけど行けなかった2003年熊本での「OpenSky」展の進化版(だから「2.0」)。試作機と実機、その設計図や制作過程、テストフライトの記録が写真や映像でまとめられている、工場と屋外が一緒になったような楽しい空間。もともとメーヴェを作る、という触れ込みだったので、なんてロマンチックなことをするんだろう! と思っていたんだけど(チラシも初期から変わらず、空の青が一面にひかれたデザインでとてもきれいだし)、今回の展示を見てその気持ちがさらに強くなった。人が空を飛ぼうとする時の気持ちや行動は、いつの時代のものであっても夢とロマンが溢れていて、見ているだけでワクワクする。

展示を見つつ、パイロットでもあったサン・テグジュペリが書いた「夜間飛行」のことを思い出したり(この作品は飛ぶ物を見るといつも思い出される)、鳥人間コンテストに出ていた人がスタッフに居たらしいと聞いて嬉しくなったりした(別に自分にはまったく関係ないけど)。時間がなくてきちんと見られなかったのでもう一回行く予定。


考えたら、ユートピア思想に基づいたロシア・アヴァンギャルドの作家しかり、ウェットさを感じさせる現代の作家しかり、自分が好きなアーティストは皆作品にロマンが感じられる人ばかりだと気付いた。というより、作品で夢を見せてくれるから好きなのだと思う。私にはできないこと、アーティストがアーティストたる所以。そういう存在。