ルーツというかなんというか

今日はこれを聴いている。引っ越しの時、わざわざ持ってきたCDがたくさんあって、そのうちの何枚かがフリッパーズ。それが名盤だってことは、私が言うまでもなくみんな知ってるし、今更すぎることも知っている。

私が初めて作ったミニコミ(その時は頑なに「ファンジン」って呼んでた)はフリッパーズのヤツだった。
わざわざZESTまで買いに行ったのに、結局『MARY PARM』は売り切れていて買えなかったとか、初めて行ったZESTでお金を払った人がカジくんだったとか、ジェリービーンの地下で60'sのアクセとギターポップのおまけ付きテープを買ってたとか、高校には毎日古着+ベレー帽で通っていた、とか。
その時代ならではの懐かしい思い出は、こんな風に、もう山のようにあるのだけどさ。そんな中で、ミニコミは私の青い春の相当な割合を占めるものだった。今の仕事のことにしたって結局、ここに戻ってきたにすぎないのだと思う。たぶん。

その後クラブのミニコミとかたくさん作ったけど、300冊完売したのなんて、後にも先にもこれしかなかったなあ。

そんなことをなぜ今書いているのかというと。
うちに寄ってくれたひなぎくさんが、「ミニコミを出していた人ですか?」って聞いてくれたから。もう10年くらい前の話なのに、知っていてくれた人がいるなんてね! そんなこと思いもよらなくて、なんだかとても嬉しくて。「実名で勝負してます」コミュじゃないけど、ハンドルにしてなくてよかったな。そうしみじみ思ったんだ。
それで私は、いま、このCDを聴いている。

BGM / Flipper's Guitar「ヘッド博士の世界塔」