*[音楽]コルトレーンのあの曲は

ブルートレイン」と言う。外国でもブルートレイン寝台特急を指すのだろうか。

秋田から京都までの約800キロ。それを何度となく移動したブルートレインは、私にとって特別な乗り物だ。小さな青い流れ星のマークをつけた12時間かけて動くホテル。

東京から長崎を走る「さくら」が廃止になったと雑誌に書いてあった(少し気づくのが遅かった)。ブルートレインは新幹線と同じくらいの料金がかかる。東京から九州まで1万円台の飛行機がある昨今、時間の割に割高な列車が廃止になっていくのはよくわかる。でもなんだかとても寂しい。

私はちょっとした変化で寝られなくなる子どもだったけれど、寝台列車だけは大好きだった。2段ベッドの上段から続く通路の上が荷物置き場になっているのも、両側から取っ手を引き出すと階段が出てくるところも、ぼんやりと光る枕のわきの電灯も、カーテンを少しだけ開けて真っ暗な外を覗くことも。「日本海」は奥羽本線から湖西線をつなぐように日本海側を走る。目がさえて寝られず、暗闇にぼんやりと浮かぶ日本海を見る時もあった。
そういえば3段ベッドの車両に乗ったこともあった気がするけど、今となっては本当に3段だったのかな、と思ったりする(そう思うほど大人には狭くなる)。

夜更かしして青い電車に乗り、目覚めるともうお日さまは高くて朝になっている。そういうちょっとした不思議な感覚、というかワクワクする乗り物って今もうあんまり無いんじゃないだろうか。