[音楽]じつは

土日は外出しておりました。体調も問題なく無事終了したのでおぼえがき。

METAMORPHOSE'05】
いざとなっても帰ることができない野外パーリーはいろいろなことに自信がない。ので基本的に情報を見ない+聞かない方向なのだが、メタモは割とその規制が緩い(自分内で)。まず苗場じゃないこと、なにげなく見たいものがコンボを組んで出ること。そういう辺りで。

今年はHIFANA、ブンブン、ROVOTORTOISEGREEN VELVET。みたいものたくさん。そしてなんといってもGALAXY 2 GALAXY。URは見逃してるけどさすがにG2Gは見とかないといけないでしょ、ということでがんばった。タイムテーブルをチェックした時点でソーラーステージに見たいものがほとんど固まってくれていたので楽だった。でもHIFANAとブンブンのタイムテーブル早すぎ! 着いた時はまだ陽も高くてかなり暑かったので体力消耗しかけ‥‥(苦笑)。KRUSHとキヒラさん+ヤスくんのVJが見られなかったのは残念だった。

ソーラーステージにはなぜか地元の名産しいたけのバター焼きと鮎の塩焼きの屋台が。それまでに偶然「菌類が食べたい」トークをしていた私はナイスタイミングとばかりにしいたけ。のちに鮎。鮎屋台は大人気で常に長蛇の列ができていた。「いやーこれだったらやっぱり日本酒だよねえ」とは友人の弁。わたしもそう思う。

HIFANA
始まる頃にはすでに暗くて、いわゆるメインステージ扱いのソーラーゆえにスクリーンもかなり大きく、VJの映像が栄える栄える。「ハイファーナフロムき・ち・じょうじ! 」なHIFANAは2日前に発売されたアルバムの曲がメインだったようで(知らない曲が多かったから)、わかったのはラストの「和モノ」(iTMSでもフリー配布されてた三味線+沖縄民謡テイストのアレ)くらい。パッドだけじゃなくパーカッション代わりのデジタルドラムが炸裂、この動きが派手なので遠くからでもよくわかってヨイ(笑)。二人で交代しながらのアクロバット叩き、MCと映像がぴったり合ったURL連呼、とにかく芸と仕込みが細かすぎ。「はい、そういうわけでして!」で始まる前説芸人テイストのMCに大笑い。「次はもうちょっと賢そうな演奏のバンドが出てきますんで〜」なんてMCでさらに爆笑。ライブの時間はトータルで1時間くらいだったけど、細かいネタが盛りだくさんで初っぱなから相当楽しませてもらった。

BOOM BOOM SATELLITES
なんか今日かっこよかったなあ! こんな風に素直にかっこよかったと言えるのは、やっぱり音が上に抜けるという雰囲気も関係してるのかしら。うーん、でも、なんとなく懐かしいクラブの空気をライブに感じたからかもしれない。
「Dive For You」や「Moment I Count」、「Spine」など最新アルバムをメインに「Fogbound」と「Dig The New Breed」をはさんで新曲でシメ。最近フェス/イベント系に出た時に多い曲構成かなー。やっぱりロックのお客さんが多いから、煽ったら煽っただけお客さんも暴れるので、まだ21時前だというのに相当盛り上がっていた(でもしんどい)。
私自身は毎回変わる「Fogbound」とツチノコ定番(いわゆるライブでしか聴くことができない)の「Dig The New Breed」が一番楽しみだった。‥‥ウワー「Fogbound」またアレンジ変わってたよ! 今回は相当大きく変わってた感アリ。ブレイクまでとパーカッション部分は割と前の音が残っていたけれど、それ以外のトランス風味が多少薄れていた気がする。この曲のアガっていく感じを外で聴くのが初めてだったので嬉しかった!
そしてステージにボコーダーマイクがスタンバイした時点で
「キターーーーーーーーーーーーー!!!」
もう大喜び(最近のライブでボコーダーマイクを使う曲は「Dig〜」しかない)。もしこれをやらなくなったら相当ショックだろうなと思った、それくらいこの曲が好きなんだな。何度聴いても。
よくDJをやってるアーティストやクラブに関わりのあるバンドなんかは、まだリリースされていない新曲の反応を試すのに(DJだとクラブ)フェスでやったりすることが多い。そういうこともあってなのか、今日もラストは聴いたことのない曲だった。

暴れすぎてマイクもろともひっくり返った中野さんとか最後まで声の枯れなかった川島さんとか、今回は総じて良かった。でも新曲にUNDERWORLD色が強すぎるのはどうかと思った(苦笑)。

あと「なんでメタモやのに横からぶつかって来られなあかんねんお前やお前! 昔の曲で微動だにしやんそこの女子(激怒)! 」と思ったけどまあそれはステージ上には問題ないことなんで(大苦笑)。

さっきも書いたけど、ここで体力の60%は一気に削ぎ落とされたよ! まだ22時にもなってない!

ROVO
とはいえ次はROVOだったのでまたドキドキ再燃。気の休まる暇がない。なぜかブンブンとROVOを対で見ることが多い私、ジャンルはちょっと違うのに。
ROVOのライブを見るのはひさしぶりだったんだけど、やっぱりこの人たちは生に勝るものはないと再認識。CDでも持っているしもちろん曲として悪いはずがないんだけど、生のすごさを知っているといつも何かが物足りないと感じてしまう。生が良すぎるのも善し悪しだなあ、とか。あとROVOのライブは空気が最初から最後まで続いているような中にいるので(曲が途切れたとしても)、割と曲名とかどうでもいい。意識が遠くに持っていかれるようで、本当のミニマルってこういうことを言うんじゃないかなあ‥‥って。とにかくその場にいてその場の音を聴いて、その場で踊っていられればいいバンド。文字に書き起こすのも、録音するのもあまり意味がないような気持ちになる。ので、ROVOを見に行く機会があればぜひどうぞ行ってください。

TORTOISE
ゆるい感じで聴けるよ〜って友達に言ってたのにかなりキック強くてびっくりした。あの1月のライブはなんだったんだろう? って思うくらい力強いドラミングと演奏、フェス仕様だったのかしらん。とにかく言うまでもなく演奏はうまいし、「TNT」や「It's All Around You」とか人気のある曲もばっちりやっていたし、その辺を歩いている時でも気になってしまうアクトだった。途中で休んでしまったのでいろいろと見逃したのが残念。
ROVOもそうだったけど、どこかにミニマル感のあるバンドはVJも美しい。オプティカルでカラフルな映像は暗闇にパン! と浮かび上がってとても綺麗だった。
その後でHMVのブースでサイン会があったのだけど、あの5人が運動会みたいな三角テントの下にちんまりと座っているのは、なかなかシュールな光景だったな。

GREEN VELVET
しばらく仮眠を取っていたら、突然「ドン!」という超強力なキックでびっくりして飛び起きる。友人も同時に目を覚ましていて何事かと顔を見合わせたら、(一部地域にて)緑ことGREEN VELVET別名CAJIMIREさんがライブを始めていた。噂には聞いていたけれどもほんとに全編自分で歌ってるんだね‥‥ステージ上で動き回って普通にライブ(知らない人に言うと、リピートの多いヴォイスは基本的にサンプリングなので、このスタイルは珍しい)。「Flash」とか「La La Land」のヴォイスもすべてマイクで歌っていたよ!? 12インチとか持っていて何度も聴いていたのに、結構な衝(笑)撃だった。あんたはMCかと(笑)。
緑もTORTOISEと同じようにHMVブースでサイン会があったみたいだけど、ほんとにやったのかなあ。ていうか夜中の3時半に緑がサイン会ってどうなの(苦笑)。

GALAXY 2 GALAXY
そ、し、て! 本日のメインアクト(が4時からというのがメタモのすごいところ)GALAXY 2 GALAXY(号泣)!! 「Amazon」と「Hi-Tech Jazz」に関してはちょっと特別なので、G2Gのライブが見られるなんてもう本当にいい世の中だと涙。
G2Gはちゃんとしたバンド編成だった。DJ、VJ、ギターベース、ドラム、キーボード、プログラミング、MC(あともう一人くらいいた)の大所帯。MAD MIKEは後ろのほうにちょこんといた。「Return to Dragon」「Timeline」「Inspiration」「A Moment In Time」「Star Sailing」「Momma's Basement」などなど、聴いたことのある曲満載でドキドキしっぱなし。DJ ROLAND率いる変名バンドLOS HERMANOSの説明+曲もやってた。そういえば「Final Frontier」ではスクリーンにKRAFTWERK(すごく若い時代からロボット時代までのミックス)が写っていた。まあそうだよね、彼らがいなければバンバータは彼らの曲をサンプリングして「Planet Rock」を作らなかっただろうし、実際テクノだって生まれていなかったわけだから。しっかし、このデトロイトのお兄ちゃんたちは、先人に対しての敬意を、作品によって表すことを本当にきちんとやっているなあと感心する。口先だけじゃない真摯な尊敬の表れというか‥‥。
ギターとMCがものすごく煽っていたのでみんなもそれに合わせてコール&レスポンスだったり、ハンドクラップだったり、手を左右に振ってみたり、ちょっとしたことでも素直に楽しい。

恐ろしいもので、いまいちガスですっきりしなかった空もライブ中に日の出を迎えるというナイスタイミング。ていうか神。

‥‥でも一番聴きたかった曲はまだやってないよ! ねえねえこのまま終わるってナシよね? って思っていたら、MCさんがまた戻ってきて「僕たちはもう疲れてるけど、君たちがもっと聴きたい! って言ってくれたらやるよ! どうだい?」と言う。そんなの当たり前でしょ! と会場のそこかしこから「More!」のコール。メンバーがコールに引き戻されるようにして登場し、そしてサックスのメンバーが追加で登場。もうそれだけでみんながわーっと歓声をあげる。なぜなら、それまでにやっていない曲でサックスが入る曲といえばそれはもう「Hi-Tech Jazz」しかないから。あのフレーズをライブで聴くことができるなんて、海外でも行かない限りもうこの先にはないかもしれない、と一生懸命聴く。1曲があんなに大切だったのって、ちょっとないかも(もちろん他の曲も大事だけど)。そしてラストは「Jaguar」。ウワーってみんなが感極まる。暴れるとかそういう直線的な形での表現ではなくて、シャボン玉が飛び交い、嬉しくて笑い、ここでG2Gを見られてよかったなあ〜って心から幸せに思えるような最後。MCさんはステージ前だけじゃなくって、段差になっていた遠くのほうまで「そっちは盛り上がってるか〜??」と言わんばかりのコールをしていて、それもある意味で連帯感を強くしていたのかもしれない。
長くて短い時間は最後を迎え、彼らはありがとうと言って帰っていった。

生バンドだっただけに全体的にJazzテイストの強い曲がメインになっていたふう。結局「Amazon」は聴けなかったけど。でも、終わった後には山の緑と青空、心地よい疲労感、多幸感。なんだか心が浄化されたようだった。

ANANDA PROJECT
もうこの辺になってくると本当にゆったりと、好きな時に好きなペースで踊るっていう本来あるべきクラブの様相に。ちゃんと聴いたことなかったけど、とても良い感じの、温かいヴォーカルハウスだった。バンドにはあったかいハウスに重要な、恰幅のいい女性ヴォーカルとアフリカン(?)な男性ヴォーカル。彼らがいろいろとコールをし、DJのかけるトラックに合わせて入れ替わり立ち替わりで熱唱。トラックは往年のTODD TERRY(ディスコハウス時代)をちょっと思い起こさせるものだった。

ISOLEEを聴きにルナに行ったんだけど、ものすごい遠い+入った途端に音の響きが厳しい、で一瞬で撤退。まあそれまでに楽しみ満載だったのでOKってことで‥‥。

帰ってからも調子は悪くならなかったし、あっという間に今年のメタモルフォーゼは終わってしまった気がする。楽しかったなあ。参加したみなさんお疲れさま!