[クラブダイアリー]午前4時のブルーナイル

theklf2005-09-19

もしくは午後10時の難波ロケッツ

【今日のイベント】
9/18(日)Rhythm Cruise 5th ANNIVERSARY 新宿OTO
GUESTLIVE:mihara(GRAND CENTRAL/ONEOWNER RECORDS)
DJ:MURAI/Aoyama/Yumiko

miharaがライブをやるというので行ってきた(写真は今日のものではない)。
新宿のOTOは本当にこぢんまりとしたクラブで、60人も人が入ればいっぱいになるようなお店(大阪のFireflyをもっと狭くした感じ)。音は耳に痛くなく低音もしっかりと響いていてなかなか良い。
フロアに入った時からもうどこか懐かしい感触と雰囲気、それから音だと思う。「ブルーナイルっぽい」とか「ロケッツっぽい」とか友人と話す。「マッシュのDUM DUMみたいじゃない?」という発言もあったな。

アブストラクトのイベントだけど、ただ温和しいわけではなく、DJの子はみなどこかしらにアッパーなブレイクビーツやMC物を混ぜていた。バリエーションに富んでいて、なんとなく踊りたくなるような面白さ。そういえば、中盤でえらく懐かしいアシッド物がかかってる‥‥と思ったら、案の定ハードフロアだったらしい(友人情報)。

20時半頃からmiharaのライブ。彼のライブは何度も見たことがあるけど、東京でmihara名義のライブを見るのは実は初めてだった。
隠しネタがあると聞いていたことを抜きにしても、インパクトのある派手な一曲目にびっくりさせられた。良い意味で予想をさくっと裏切られた。ギターフレーズが満載のこの曲は、某MCに提供するトラックなのだそうだ。MCとどうまとまるのかがさっぱり予測できないくらい派手な(?)ロッキンアブストラクトビーツで、フロアも一気にヒートアップしていた。セットはこれまでに出たアルバム「Cocolotica」から「Sense of Distance」「Imitatrix」「Echoed Mother」「Samsara」など、それから「Greenhouse ep.」から少し。その合間に新曲が少し。40分くらいだったか。

彼の曲はCDで聴くと、しっかりとしたブレイクビーツやキックが鳴っているのに、ゆっくり乗っている綺麗なメロディのために総合すると穏やかな印象になる。そんな不思議なトラックなのだけど、ライブではまったく違うアレンジに変わっているので感心してしまった。なんというか、同じ物なのにパッケージングの方法によって静と動のベクトルが極端に切り替えられているその器用さ、丁寧さに。だから私は、変わらないキーフレーズを聴いてようやく、あああの曲なんだとわかったくらい。
とにかく動きのあるライブだった。なによりもやっている本人が楽しそうでいい。ブース内の楽しげな様子はフロアにも伝染するものだとは、クラブに行ったことがある人なら誰でも知っていること。お客さんも妙に楽しそうで、歓声がたくさんあがっていた。よい相乗効果の結果がそこここで見え隠れするフロアで気分良く楽しく踊る、そんな楽しい時間は本当にひさしぶり。

皆が思い思いに楽しんでいるのがわかる、大バコや派手なイベントとはまた違った本来のクラブらしいクラブ。ほんのちょっとした楽しみを得ることが難しくなってしまっただけに、なんだか嬉しい気持ちになった。

※単語いろいろ
mihara:「アブストラクトヒップホップ」と一般的には言われている(らしい)ジャンルのトラックメーカー。最近UKのGRAND CENTRAL(Smith & MightyのRob Smithのいるレーベル)からアルバムを出した。
ブルーナイル:昔道頓堀にあった3階建てのギャラリー&クラブ
ロケッツ:今でも難波にある老舗ライブハウス&クラブ
マッシュ:マッシュルーム。京都の祇園にあったクラブで、元UNDERWORLDダレン・エマーソンの初来日DJはここのみだった。DUM DUMはそこでやってたイベント