5月3日(水)BREAKS 3RD ANNIVERSARYat GRAND Cafe

SANTOS

DJs:DJ MIZUTA、YOHEI YAMAMOTO、KENJI MARUI、SUGIMOTO、DJ TUTTLE
VJ:GORAKU


 ひさしぶりのBREAKS! はじめてのSANTOS! ひさしぶりに行くパーティがBREAKSでよかった! そう思わせられる笑顔の一晩だった。

 私はいいパーティに行くと、フロアから出るのがもったいないと思ってしまう。遊びの場で「もったいない」なんて、なんて余裕のない考えかと思われるかもしれない。でも例えば、「素晴らしい瞬間にその場に居たい」という想いは、クラブで遊んでいる人なら誰もが持っているものではないだろうか。今日のBREAKSはそんな「素晴らしい瞬間」が、もうずっと続いているような感じがした。だからこそ、それを聞き逃すまいと思うあまりに、こんなちょっぴり大人げない感覚が顔を覗かせてしまったのだ。
 人によっていろいろな遊び方があると思うけれど、どうも私は(10代からそうだったからか)全力でフロアに向かう癖が抜けないらしい。
 
 12時過ぎにグランカフェへ到着。なじみのある曲調と空気が溢れかえっていて、足を踏み入れた途端にもうアドレナリンが沸点に(笑)。

 12時以降のタイムテーブルは「TUTTLEさん→SANTOS→MIZUTAさん」だと知っていたので、これはTUTTLEさんがゲスト前に勢いをつけているんだなあ、と思いつつウキウキ。BREAKSでの彼のDJは、いたってストレートなブレイクスにオールドスクールレイヴ、そこにラガ・バングラ系が少し。この印象が今も変わっていなかったことがとても嬉しかった。ブレイクスが出始めた頃のごった煮感覚と勢いを失わず、でも古く思わせない選曲はさすが。それから、個人的な特筆ものはPRODIGY「Out Of Space」〜DJ ICEYのハードコアトラックライン。やっぱりオールドスクールのレイヴ物は気分がアガる! しかも私が大好きなDJ ICEYのこのハードコアトラックを使うDJさんは数人しか知らないから、それだけでも嬉しかった。


 そしてSANTOS! イタリアからやってきたSANTOS! 初めて聴いた「3-2-1 Fire!」がぶっ飛んでヘンな構成(が、激烈に恰好いい)のブレイクストラックで驚いたSANTOS! 期待通りで本当に格好良かった!

SANTOS「3-2-1 Fire!」(FATBOY SLIMのMIX CDにも入っている)

 プレイは1時から3時までの3時間。全体は男らしいハードハウス、四つ打ちメインの印象だったはずなのに、一曲一曲で思い返してみるとさまざまなジャンルがかかっていたことに気付く。リズムのつんのめり方がものすごくヘンなブレイクビーツ4ADを彷彿とさせる綺麗なメロディのトラック、アシッドハウスの香りがするトラック、「お祭り男」の面目躍如なのかものすごくアッパーなパーカッショントラック‥‥、などなど。こう書けば、彼がかけた曲のバリエーションの多彩さがよくわかってもらえるかもしれない。
 それから、SANTOSはとても楽しそうにDJをする人だった。アナログやCDを縦横無尽に使い分け、イコライジングを駆使したプレイ。フロアの歓声との相乗効果もあってか、ブレイク部分で手を振り上げたり、トラックに合わせてブースの中に隠れて煽ってみたりと、フロアに負けず劣らずの様子。その場にいる人間として、こういう光景が見られるのはやっぱり嬉しい。
 彼の作品からはいろいろな要素を感じ取ることができるのだけれど、きっとDJでも同じなのだと思う。ばらばらの要素をきっちりとひとまとめにする力が抜群、そこからアッパーな空気を作り出す力も抜群。長くやっている人ならではのスキルだという感じがする。ハードなFATBOY SLIMみたい、なんて。


 ものすごく盛り上がったフロアを限りなくNEW ORDERなトラックで引き継いだMIZUTAさん。メインが終わったからといってザーッと引くわけではなく、割にたくさんの人が残っていていい感じ。MIZUTAさんも、ジャンルレスで有名な曲もかかっていてみんな楽しめるのに最終的にはマニアック、という不思議な選曲が前と変わっていなくて嬉しい。今回は(超有名曲にありがちな「すごく知っているけど名前がわからない」)ブラックファンクやロックが飛び出していた。それから、THE RAPTUREぽい限りなくNW系パンクロックなトラックには、前列男子が大喜び。後半でかかった大クラシックのイタロハウス「Sueno Latino」には、私たちが大喜び。
 もちろんこれは、ブレイクスというベースをしっかり固めてあるからこそ引き立つというお話。大好きなGROOVE ARMADAのラガブレイクビーツトラック「Super Stylin'」や、M/A/A/S「Pump Up The Volume」のリミックス(誰のか知りたい!)、さっきまでDJをやっていたSANTOS「3-2-1fire!」などなどでガンガン引っ張る。そういえば、フロアからSANTOS本人がやってきて、ブースに登りついて握手を求めていたのが微笑ましかった。前もこんなことがあった気がするけど、ゲストへのリスペクトが感じられてとってもいい雰囲気だった。それから書いておきたい「Video Kill The RadioStar」のリミックス。こんな物が出ているのか〜と感心していたら、これはMIZUTAさんのオリジナルだそう。とても面白いミックスに仕上がっていたから、今後も聴けると嬉しいのだけれど‥‥。

 アンコールではやっぱり、BLACKBOX「Pump Up The Jam」+X-PRESS 2「London X-Press」が一番! 5日のX-PRESS 2の期待感をこれでもかと煽るようなトラックで、助走が始まっていると言わんばかりに「Raise Your Hands!」のヴォイスで手を挙げっぱなし(笑)。
 最初にも書いたけれど、ひさしぶりのパーティの記録が「BREAKS」でよかったと思う。


 そうそう、VJさんの流している映像、ひさびさにかわいいな〜と思えるデザインで気に入ったことも書いておこう。アリ物の映像とグラフィックを混ぜ込んだ感じでとってもよかった。SANTOS&マネージャーさんが、SANTOS自身のモチーフをもじったグラフィックをしきりに覗いていたのは、嬉しかったからなのかもしれないね!


 というわけで、参加者のみなさんお疲れさまでした。


【関連リンク】
SANTOS http://www.santosmusic.com/
DJ MIZUTA blog & SANTOS解説(4/29分) http://blog.livedoor.jp/djmizuta/
BEAT PARK http://k.fc2.com/cgi-bin/hp.cgi/beatpark/