5月10日(水)7じ9じ@ルミネ the よしもと

(以下すべて敬称略)
団体観覧で立ち見席のみ、だったが麒麟は5月26日まで出ないし‥‥と思ってチケットを取ったら、団体客は中学の修学旅行×4校だった。案の定必要以上に元気がよくうるさいくらいだった。品川庄司麒麟・プロデュース公演あたりに歓声は多く中学生人気もあるらしい。ちなみに、どのコンビも中学生向けにネタをアレンジしているのがものすごくよくわかった。

【前説】
・ゆったり感
なんか友達にいそうな感じのふたり組。
前説担当コンビの定番ネタとして、「幕が開いたら写真は撮らないでくださいね」「ということは今は幕が開いていないので写真は撮ってもいいんですよ〜」「‥‥あ、そこまで言っても撮らない」的やりとりがあるのだが、今日は中学生ならではのおかしなテンション&歓声&写真撮影のフラッシュの嵐。「もうこんな事は今後ないかもしれない」と苦笑まじりで注意事項を説明。

【ネタ組】
ハローケイスケ
アンケートで会場のお客さんに手を挙げさせるネタ。「避難訓練でみんなが集まった時に校長先生の第一声は“みんなが静かになるまでに5分かかりました”と言う」「となりがトトロ」あたりが面白かった。「エンタの神様」では何が面白いかわからなかったが、この人はその場の空気や間と併せて見る芸なのだと思った。

・アームストロング
「深夜のコンビニバイト2人組」コント。「もし強盗が入ってきたら〜いかにさりげなく非常ボタンを押せるか対決〜本物の強盗が!〜なんてぎこちない押し方なんだ」
ダラダラした空気感のコントは嫌いではないのだけれど、今回のネタはあまり好きではなかった。何度も同じ行動を繰り返す要素は面白い場合と鬱陶しくなる場合の2通りあるが、今回は後者だったからかもしれない。

とろサーモン
「村田のボイスパーカッション&久保田のスクラッチ」ネタ。最近では珍しい(?)村田のすかし無しだった。久保田が「カセットテープを食べ〜る〜」の派生形から「カセットテープは食べられん」「木工ボンドは食べられん」発言で笑いを取るも、「かぶと虫を食べる大人」発言で、何を言っても盛り上がりまくっていた会場を一瞬にしてドン引きさせる。最高。

異様に詳しいwikipediaとろサーモン」解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/とろサーモン_(お笑い)

麒麟
バイク&風の音〜どっちが男らしいか「自販でのコーヒーの買い方」「寿司の食べ方」:川)醤油をつけて寿司をにぎりつぶす! それを土に埋める! それではえてきた稲も握りつぶす! それが二毛作!/田)これから二毛作を習うのに、そんなこと言ったら間違えるからあかん!〜男らしい職業やからボクサーになりたい:田村のリングネームを「田村 as soon as 裕」「Is This 田村?」と勝手に紹介する川島。挙げ句の果てに「かりんとう」呼ばわり。最終的に(スーパー玉出の発音で)「もう“スーパー田村”でいいやん」

出だしが前と同じだったので残念だったが、亀田兄弟にかけたボクシングネタは初めて見た。「二毛作」「お茶は自販機で買わずに家で作ってペットボトルで凍らしたヤツタオルで巻いてゴムで止める」発言、リングネーム辺りで中学生向けにアレンジ。 他のコンビと比べて尺が圧倒的に短かったのも残念だった。

品川庄司
「名前を覚えて帰ってくださいね〜刑事の取り調べ」ネタ。基本は品川の庄司いじりだが、意外に面白く思えた。テンションが高くてテンポもよかったが、アームストロングと同じで繰り返しが鬱陶しく感じられてしまったのが残念。麒麟が短かったからなのか、最初から決まっていたのかはわからないが、とにかく異様に尺が長かった。

はりけ〜んず
「お宅です!」と「麒麟です!」のパロディでスタート。オーソドックスなしゃべくり漫才&お客さんの出身地区を最初に言うあたり、芸歴の長さを感じさせる。全体的に面白かったけど(でもネタは忘れた)、ポケモン世代の中学生に「北斗の拳」は通じないだろうよと思った。
萌えジャージ&ドラゴンボールパスケースの前田を初めて見た。「同じ吉本なのにオタクキャラが被っている‥‥」と思っていたら、2人とも向より数段上のオタクらしい(「声優あるところにはりけ〜んずあり」らしい)。

オロナミンC CMバトル(EAST1組)】
ガリットチュウ・くまだまさし・ハリセンボン・まちゃまちゃの4本を上映。お客さんの拍手が一番多かったまちゃまちゃにポイント授与。ハリセンボン(はるな&はるかの救いのなさが最高)も面白かったんだけど、まちゃまちゃのホストクラブ&意外とかわいいボブヅラ&ドレススタイル&オチが一番しっくり来た。

【休憩】

ルミネtheよしもとプロデュース公演】
木村祐一 大山英雄 千原靖史 千原ジュニア 宮川大輔 ほか
 マンションそばの公園に住むホームレス、木村・千原Jr.・大山(福山雅治似)と、彼らを追い出そうとする悪徳市長(宮川)を取り巻く人々。
 これは誰が脚本なんだろう? とちょっと首をかしげる感じ。ブラックなネタも風刺が効いたネタも嫌いではない。とはいえ私は、よしもとの舞台にはどうしても「同じような筋で、悪者が出てきたとしても誰も悲しむことはなく、絶対みんながハッピーエンド」という脳天気な話を求めてしまうのだ。
 だから、ホームレスだった3人がお金持ちになり、悪徳市長がホームレスに転落するという展開や、ホームレスたちが実は悪賢くお金を手に入れていたり、悪徳市長がホームレスになって援護の女の子がいなくなるというブラックさにはどことなくなじめなかった。
 基本的に吉本新喜劇は見た後に嫌な気持ちになることはあまりないので、これは新喜劇という位置づけではないのだろう(実際「新喜劇」とは銘打っていない)。出ている芸人さんは二丁目劇場を彷彿とさせる「四時ですよ〜だ」〜「天然素材」世代で嬉しかっただけに、自分自身の後味が悪かったので残念だった。もしかして私が歳を取ったという証拠かもしれない。