6月8日(木)BOOM BOOM SATELLITES LIVE at 渋谷O-East

(折りたたみがなぜか効かないので、内容を知りたくない人は読まないほうがいいです。)


来てよかった、ひさしぶりにブンブンの音で踊るのが楽しい、と思える2時間だった。音を聴いて背中がゾクゾクするなんて本当にひさしぶり。フロアライクなアプローチが戻ってきていたのが嬉しくて、もうなんと言っていいかわからなかった。平井さんの高速人力ブレイクビーツやブロークンビーツが際立つアレンジが多かったし、全体的にBPMも速めに戻ってきているんじゃないかという感じもあり。いろいろな要素の結果が、この嬉しい感想になったのかもしれない。
今回ようやく、「これぞブンブン」という懐かしい感触を取り戻させてくれた気がする。


最近のアルバムには正直ピンと来ていなかった。今回のアルバムは特にそうだった。
アルバムが自分にしっくり来なくても、彼らはいつもライブになるとまた違った格好いい形にしてきてくれる、それは見のがしたくない、という気持ちでここしばらくのライブは参加してきた。それなのに、どうもなんだか素直に楽しめないライブが続いていた。あの鬱陶しいモッシュピットがいつの間にか近づいてきて攻撃を加えてくるのもその原因のひとつ。じゃあ行かなきゃいいじゃない、と言われたとしてもそれは仕方がない。FBSの初来日、DAWN(現NOON)のフロアで初めてライブを見てからもうすぐ10年。ほとんど毎年リリースとライブを楽しみにしていたバンドから簡単に離れられるほど、私は潔くはなかったから。ただ、ちょっとなあ‥‥と思う期間が(個人的にだけど)長くなりすぎた。今回はライブ行くのやめると言う友人の言葉に、私もこのライブが面白くなかったらもう行くのやめるかもなと最後のバクチを打つような気持ちで行った。きっと、若いファンがブンブンに求めるのはこういう音なんだろう、たぶん私が歳を取りすぎたのだろう、って。


それで見たのがこのライブだ。あんまり嬉しくて「格好よかった」「来てよかった」と一緒に見た友人に訴えかけ、終了後には買うのを迷っていたageHaでのライブチケットを速攻で購入。そして、行くのをやめたという友人に向けてメールを打った。ぜったいライブに行ったほうがいいよ! また(私たちが思う)ブンブンの格好よさが戻ってきたよ! とね。


ライブは新曲と過去曲が半々。でも、ニューアルバムの曲群の面影は、おそらく半分くらいは消えてしまっていたと思う。シングルカットされたストレートなロックナンバーはそのままだったが、それ以外に関してはCDを聴いてきた人が「あれ?」と思うんじゃないかというほどの変わりよう。


ロックものの曲は置いておいて、今回は「Pill」あたりから感想を。「Pill」では次の曲に繋げるためだったのか、歌詞間のブレイクや後半のリズムフレーズがかなり追加されていたように思う。つまり、きちんと踊ることができる構成になっていた。でも、RAPTUREやRADIO 4系のロック寄りエレクトロ、というのとは何かが違う。どちらかというと、テクノやハウスのアーティストがロックバンドの曲を再構成して四つ打ちメインで作ったリミックス、という感じに近かった。ここで「もしかしたら今回は?」と気持ちも上昇。そして続いて「Generator」。今回のCDでは好きな曲だったが、やらないであろう候補の曲だっただけに大喜び。もしかしたら、この曲が今後は「Fogbound」の代わりになるのかも?? と思わせるほど格好いいフロアトラックに変わっていた(ここ数回は「Fog〜」と「Dig〜」くらいしか楽しみがなかったというくらいなので、その感動は推して知るべし)。そして「Moment I Count」をはさんで「Dig The New Breed」。ここしばらくはアンコールの定番だったので、ボコーダーマイクがセッティングされたのには驚いた。ただ、ずいぶん長い間定番だったアレンジが今回かなりロック寄りに変えられていた。個人的には昔のほうがよかったなあ‥‥と思ったが、特別な思い入れがあるのでやってくれるだけで嬉しい。次が大好き「Fogbound」。この曲も一時期紆余曲折あったけれど、最近はトランスアレンジに落ち着いている様子。いつ聴いても間違いなく格好いいし、相変わらず気持ちよく踊らせてくれた。踊りたい私にとっては、ライブの中盤が一番気持ちよく楽しい時間だった。
本編ラストの「Loaded」ではなんというか、まるで90'sUKロック(というかマンチェスター系)の曲が思いだされるものになっていた。曲の出だしがとても美しくて、ひさしぶりに音で背中がゾクゾクした。ライティングも七色のライトが白いライトの中に線のように差し込んできて、まるで朝方のような雰囲気。正直歌が入らないほうがしっくりくる気がしたけれど、まあそれは言わない方向で。ラストにふさわしい終わり方だったと思う。

アンコールは前回のアルバムから、ロック寄りとダンス寄りのアレンジでそれぞれ1曲ずつ。そして驚いたのが、2回目のアンコールがあったこと。何年も見ているけど初めてだったのでは? おそらく本編の時間が通常より短かったことがあると思うのだけど(実際、本編はあきらかに「もう終わり?」という感があった)、また全然違うアレンジの「Dress LIke An Angel」が聴けてよかった。


一つのステージでUNDERWORLDSQUAREPUSHERとUKロックをまとめて聴いたような盛りだくさん感(笑)。来てよかったなあ‥‥。


(追記)
今読み返してみたら歌のことがまったく書かれていないけど、実際川島さんの歌もすごくよかった。これまではハラハラしながら聴いている感があったんだけど、今回は安心できる強さがあったというかね。とても迫力のある、伸び伸びとした歌声。歌詞が遠くまで響くようで聴いていて気分がよかった。


【セットリスト 】(2ちゃんからなので定かではないw)
Kick It Out
Girl
Pill
Generator
Moment I Count
Dig th NewBreed
Fogbound
Dive For You
Nothing
Play
Loaded

アンコール(1)
RISE&FALL
Ghost & Shell

アンコール(2)
Dress LIke An Angel