7月2日(日)BOOM BOOM SATELLITES JAPAN TOUR 2006 at STUDIO COAST

theklf2006-07-04



 華やかさと豪華さに満ちたステージセット、ライブの楽しさとワクワク感に溢れた空気感。ツアーの最終日にふさわしいライブだった。

 不安が入り交じったO-EASTから一転、今日は始めから楽しみな気持ちいっぱいで足取りも軽くライブ会場に向かう。こんな感じは久しぶりだ。
 クラブパーティ以外でSTUDIO COASTに初めて来たので、ライブセットでの構造にまずびっくりする。パーティの時は閉まっている横壁面がバックリと開き、奥行きも幅もかなり広いステージが作られていた。普段は縦長のフロア部分が横長のアリーナに、階段状のフロアやビーチフロアに続くお立ち台が椅子席に。しかも2階席まで作られている。さーっと見渡してもだいたい埋まっていたから、ざっと2,500人は入っていた計算になるらしい(Web情報)。その様子だけでも「すごい‥‥」としか言いようがなく、人に埋まりながらもとにかくアリーナの後ろ側で見ることにした。


 客電の落ちるのと同時に歓声が起こり、1曲目「Kick It Out」の音がものすごい勢いでスタートする。前回のスタートはあまり面白く感じなかったのだが、今日はドラムのブレイクビーツが際立って格好よく聴こえてオーソドックスなロックのベタさも薄まっている。ボーカルのリピートがどことなくフェスで聴くUNDERWORLDにも似たアレンジで、いい意味でよくできた掴みだなあと妙に感心する。続く「Girl」も歌詞がシンプル(というより単語)なので、いつの間にかミニマルトラックを聴いているような気持ちになってくる。そして、今日はここで「Generator」! PRIMAL SCREAM「XTRMNTR」テイストかつ踊れと言わんばかりのインスト物。あんまり格好よいので個人的に「Fogbound」と同じくらいずっとやってほしい一曲なのだった。「Moment I Count」の破壊力は相変わらず高い。ギターとベースが爆発するブレイクではフロアも負けじと大盛り上がり。遠くの方でダイブが起こっているような中、ステージではニュー「Dig The New Breed」へ。唯一のボコーダーボイスを聴きながら、嬉しいけどこれがDVDに収録されるなら昔のアレンジは本当に幻の「Dig〜」になってしまうのだと思い少し寂しくなった。
アップルシードのおかげで大人気の「Dive For You」〜「Play」〜「Loaded」。曲の流れが何となくきれいに聴こえるのは微妙に音の雰囲気が似ているからだと思う。そしてこのブロックの「Loeded」は、CDで聴くとものすごくさらっと終わってしまうがライブでその化け方に心底びっくりした。アルバムの中で1,2を争う化け方をしていると思う。何よりその美しい出だしが素晴らしく、初めて聴いたわけでもないのにまだ背中がゾクゾクするのだから! 「Pill」をはさんで本編のラストは「Fogbound」。待ちに待ってようやく、という感じだったので感慨深く踊り倒す。

 最近伸び伸びとよく聴こえていた川島さんのヴォーカル。今回はファイナルということもあってか、本編終了辺りでかなり掠れていたので痛々しく大変そうだなあと思った(のは私だけではないと思う)。

 今回もアンコールは同様に2回、セレクトも同じ。平井さんの人力ドラムがなかったらここまで格好よくならないかも‥‥、と素晴らしすぎるアディショナルメンバーに最敬礼。


 前アルバムのインタビューで「昔から聴いてきたクラブトラックのわかりやすい部分を使っている」という発言を読んだのだが、今回のライブでそれがきれいに発揮されてきた気がした。だから1stの頃のような懐かしさとわくわくする感じがあったのかもしれない。BPMが速めなこと、ドラムがフィーチュアされる部分が明らかに増えていること、どこかで聴いたことのあるトラックのサンプルがかなりの割合で潜んでいること、などにヒントがあるのかなと素人ながらに思ったり。そう考えると、友人が「最後のほうでジェフ・ミルズのトラックぽい音がずっと鳴ってた!」と言っていたのもわかる。

 今回は曲順も含めて全体的に大箱仕様のアレンジになっているようだった。たしかageHaのウリはクラブ仕様にセッティングされた蜂の巣型スピーカーだったはずだから、このライブでも音が悪いわけがない。「Loaded」の出だしのキラキラした懐かしげなマンチェダンス風のフレーズや「Fogbound」のトランスぽいトライバルアレンジが、今までのどこで聴いた時よりも美しく聴こえたのは、その相乗効果もあるはず。普通のライブハウスではあまり感じられない、音が上から降ってくるような気持ちのよさに「次もここだったらいいのにね!」と友人と言いあう。

 ステージセットも今までのどのライブよりも豪華。筋のように見えたバックは実は電飾で、幾何学模様や「ON」のジャケ画像、アニメ風のグラフィック、彼らの演奏シーンなどがリアルタイムでミックスされ、電飾のドットに置き換えられて投影されていた。ベタに言えば紅白歌合戦に見えなくもない感じで、やっぱり「すごい‥‥」と言うしかなかった。終了後は「GOOD NIGHT,GOOD LUCK」というメッセージが大写しになっていた。

 ライブDVDが出るらしいとかライブの中継があるとかで動き回るクレーンを見ながらなんとも言えない感慨深さを感じつつ、「すごいよかった」という言葉が口をついて出るようなツアーファイナルだった。見られるならもう一度くらい見に行きたいと思うほど楽しい、そう感じられたこともなんだか嬉しかった。


【セットリスト】
(相変わらず2ちゃんから流用)
Kick It Out
Girl
Generator
Moment I Count
Dig th NewBreed
Dive For You
Play
Loaded
Pill
Fogbound


アンコール(1)
RISE&FALL
Ghost & Shell


アンコール(2)
Dress LIke An Angel