ヤマアラシのジレンマと去る者追わず

昔から人との距離を取るのが下手でよく悩んでいた。元々は新しい人と会うことや笑顔で受け答えする事が世の中で一番苦手なことで、それはもちろん今でもある。今それがなんとなくできるようになったのは、仕事だからということ、低空飛行になりそうな時も自分で落ち込まないようにどうにか調節できるようになったというだけのこと。要するに努力の上に成り立っているものだから、一度バランスを崩すと積み立てた物がメッキが剥がれるようにボロボロと壊れていく。
弱っている時は何を聞いても攻められているようで辛くて仕方がない。そういう時にうっかり返答し、尾を引くような状況を作ったことが情けなく切ない。でもそういう時に仕事があってよかったと思った。余計なことを考えなくてすむから。去る者追わず、と唱えてまた鎧を被る。