デザイナーズ・リパブリック


週末にTwitterで流れid:ken-goさんや他の友人がすでに日記で語っていた、デザイナーズ・リパブリックが倒産したという話。
90年代テクノ系デザインがすでにデザイン史の一つに組み込まれ自分の聴く音がテクノ一辺倒ではなくなった今でも、POP WILL EAT ITSELFとかL.F.OとかWARP一連のデザインは忘れられない。まあ私のPWEI「Can You Dig It?」はピクチャー盤12インチだから普通にそのデザインを目にするし、実際(数は少ないけれど)DJをするなら今でも選ぶ曲ではあるから、そんなことが起きるとは思わなかったというのが正直なところ。絶対揺らがないと思っていた物を簡単に揺らがせてしまう動きが今は間違いなくあるんだ、と改めて思った。

This Is The Day...This Is The Hour... This Is This

This Is The Day...This Is The Hour... This Is This

友人が言う「ダニエルプールやゲリラウェアとかプロトタイプとかリパブリックとかトマトとかワイプアウトとかミーカンパニーとか、高城剛とか (←僕の中では同じフォルダに入ってる・笑)みたいな括り」という言葉に深く頷く私の、まさに90年代的存在(そういえば『オタクとデザイン・3』にもその辺が延々と書かれていたけど、あの主宰の人も気になってるだろうなあ)。
ただ別の友人の日記にもあったけど、元の規模に戻って再出発するという感じ(本当の意味での「is Dead」ではない)ならゼロリセットをあえて先取りしたという風にも取れるなとも思ったり。デザインって実態のない物を転がすのではなくて、手にすることができる作品を媒介にした仕事。そういう意味では規模の変化こそあれデザイナーの才能が消えるというわけではないから、また何か新たな物を生み出してくれる気はする。
id:ken-goさんのテキストが身に染みる。現実はちゃんと見ないといけない。でも90年代にテクノから生まれたデザインに夢を抱いてきた身であり、デザインのことを細々とでも書こうと思う立場にあることは、やっぱりあの頃にデザインを介したサブカルチャーの面白さを知った影響が絶対にある。そして彼らの影響を受けてデザイナーをやっている友人*1を初めとして私たちの世代は、今や「意志はその後の人たちが勝手に継いでいく」と言える強さも身につけた(と思う)。だから嘘でもそんな風に夢のあることを思っていたいのだ。
The Designers Republic Is Dead; Long Live The Designers Republic
http://www.creativereview.co.uk/crblog/the-designers-republic-is-dead-long-live-the-designers-republic/

*1:ketchuparts・Dieちゃんの「Thank you for The Designers Republic」がすてき http://www.ketchuparts.com/