買った本

●山本高樹『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』
チベット地方ラダックに一年間滞在した著者が、年間の祭事、農業の収穫などを含めた文化を1つずつ体験し、地元の人々と過ごす中で感じたことや得たもの、忘れられない会話などを写真と文章で書き留めた日々の記録。
気候の変化に弱い私はどんなに美しくて素晴らしい場所でも厳しい自然の地を旅するのは性質的に難しいと思っている。でも本に描かれているエピソードを読んだり、日本ではおよそ見たことがない美しい風景を見たりしていると、こんな人たちと出会えるなら、こんな風景が見られるなら行けるかも‥‥という気にさせられる。それくらいの強い力と思いが一冊の中に隠っていると思う。
氷で被われた川の上を歩くトレッキング風景や自然の色と光で模られた湖など迫力(という言葉で片付けられないくらいのいろいろな要素)に満ちた風景と、屈託のない笑顔で笑う子どもや深い皺の刻まれた年配の人たち、優しくていきいきとした人々の表情がぎゅうぎゅうと詰まっている。この写真の並びもドラマチックでいい。個人的にお気に入りなのは、色とりどりの花で飾った花の民のお祭りの女の子、抜けるように青い空に色とりどりの旗がはためく風景、薄緑色の葉に光が透ける中で杏を収穫する女の子、あたり。

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)

多和田葉子ボルドーの義兄』
ボルドーの義兄

ボルドーの義兄

●デニス ジョンソン『ジーザス・サン』
ジーザス・サン (エクス・リブリス)

ジーザス・サン (エクス・リブリス)