お母さんと子ども

六年生くらいの女の子とお母さんという親子連れに道ですれ違った。
女の子は麦わらに紺色チェック地のワンピース、白い靴下にワンストラップというとてもかわいい格好で、お母さんは同じような紺色のタータンチェックのワンピースとベルトに日傘。金髪に子どもみたいなカジュアルな格好の親や大人みたいな格好の子ども連れが増えた昨今、もうあまり見なくなってしまった往年の親子の上品さが見えてなんだかいいなと思った。
私が小さかった頃、両親はああいうトラッドなタータンのスカートとかベーシックなワンピースを着ていると女の子らしいと言ってとても機嫌がよかった。でも私はどことなく窮屈であまり好きでなかったし、もっとデザインされた物が着たくてよく店で喧嘩をした。だけど改めて見ると上品でちゃんとしていると思えるから、親が喜んでいた気持ちも今はよくわかる。自分がちょうど当時の親くらいの年齢だから余計にそう感じるのかもしれない。あの女の子は気に入って着ている感じだったけど、あのままきれいに育つといいと思った。