MIHARA「GREENHOUSE EP.」

彼の音にはいつも、なんとも言えない懐かしさを感じる。それはある一時期のAndrew Weatherallの空気感やFila Brazilliaの温かさに近い。アッパーならアッパーなほどよかった音の一方で、チルアウトのための素晴らしい音楽が作り出されていた頃を思い出す。
毎日の喧噪の中で辛かったり、悲しかったり、疲れたり。毎日少しずつ何かに気を病みながら生活をしているけれど、そういうものを少しの間忘れさせてくれるメロディが流れている。自然に包まれているような感覚。でもそれはナチュラルとかそういう風通しの良すぎるものではなくて、極彩色の鸚鵡が見え隠れするような、密林の中の瑞々しい緑の印象。優しくておだやかなビートは少しずつ形を変えながら私の側にたゆたっている。
彼の音は必要以上に人に入り込むようなお節介はしない。ただ、側でゆっくりと流れ、穏やかな空気を形作ってくれる。
http://www.cisco-records.co.jp/cgi/title/techno/detail_129785.php
http://www.nsposse.com/rnts/
http://www.oneowner.to/