[文化系]本を読む女

あまり頭を使わないで読める本がほしくて川上弘美柴崎友香の本を買う。この場合の頭を使わないというのは悪い意味ではなくて、自分にとってわりと身近な、努力を必要としない、楽しく読めるもの、という意味。

例えば古い車やバイクに乗る人は慣らし運転の必要性を知っていると思うけれども、意味を理解したい本を読む時には頭の慣らしが必要なのだ(私にとっては)。実際、最初の30分くらいは頭の思考回路を切り替えているのがわかる。言葉が映像としてすり抜けてしまう(意味を読みきれていない)時間が少しあって、ようやく意味と一緒に刻みこまれるようになる。自分の知識を超えたところにあるものを得ようとしたり、目に見えない込み入ったことを理解しようとする時は、働かせている脳の場所が違うのだ。だからこういう時間が必要になる。

そんなふうに思考回路を切り替えなくていい楽しい読みもの。特に自分の身に覚えがあるような、ないような、でも女子が主人公で、歳が近くて‥‥というような話が突然読みたくなる。ぼんやりと読むのに最適。