[日々]街中のフランク・ロイド・ライト

自由学園明日館

自由学園の明日館が見たいと思う(写真)。
いつも公開日に当たらずに先延ばしにしていたのだが、今日はめずらしく公開日になっていた。雨の中を明日館に向かってぼつぼつと歩いて行く。
シンプルなのにモダンな建物。宇治の平等院を参考にしたという構造は、そう言われてみるとなるほど両側が対になっている。こういう時代の建物につきものの細部への気配りは、やっぱり明日館でも同じだった。おもちゃのようなかわいらしい建物にたくさんの技術が詰め込まれている。窓枠やランプの細工、家具、庭、それぞれがとても美しい。庭には薔薇の木が植わっていて、5月に来たら芝生の緑と赤い薔薇の対比がさぞかし鮮やかだろうなと思う。フランク・ロイド・ライトがデザインした建物がまだ残っていて、それが自分の家から15分ほどのところにあることが嬉しい。

美しい窓のある講堂でお茶を飲む。

向かいに婦人之友社があって、自由学園創立者の羽仁夫妻が始めた出版社と初めて知った。自由学園の創設がちょうど大正デモクラシーの頃らしく、村山知義の絵本が復刻されたのもそんなつながりからなのかもしれない(村山知義大正デモクラシーの頃に『マヴォ』などで活躍した日本の前衛芸術の推進者。このへんは『大正期新興美術運動の研究』に詳しい)。