[本]雑誌・そのほかおぼえがき

theklf2005-11-27

・『ヘルベチカの本』
大谷さんのお仕事がものすごくものすごくかっこよくてびっくりした。この仕事をしてなくてもたぶん買っていると思う。
日本のデザイン書で感動したことってあまりないけど、これは! という感じ。こんなにすっきりとした格好いい本ってひさびさではないかしら。

装丁がヨゼフ・ミューラー・ブロックマンの洋書とかABCを見た時に近い印象を受ける(と思ったらブロックマンは資料ページに載っていた)。ロシア・アヴァンギャルドというよりブロックマン。赤×黒なのに違った印象を受けるのは、表紙の赤が朱寄りの色だからかもしれない。もちろん、文字がヘルベチカということもあるだろうけど。資料ページも赤バックに書籍、というシンプルさで、マヤコフスキー風に言うと「とてもいい」。

そういえば武蔵野美術大学のconstructivism posters(ちょう高い)も載っていた。

個人的に手元に置いておきたくなる本。デザインが好きな人は見たらいいと思う。

大谷秀映「へルベチカの本」(amazon)

・『Ku:nel 1月号』
川上弘美の連載にものすごくグッと来た。主人公と伯母さん、どちらに感情移入するかといえば伯母さんのほうだけど。20年後つぶやいているかもしれないことば。
「どうしてひっそりと暮らしている老嬢を放っておいてくれないのかしらねえ」

ku:nel(amazon.co.jp)

・『美術手帖 12月号』
ニブロール・珍しいキノコ舞踏団・発条トらへんよりもさらに新鋭の、日本のコンテンポラリーダンス界中堅クラス特集。コンドルズはかなり有名だからちょっと違うけど。4年ほど前のマヤコフスキー演劇で振り付けをしていた山田うんさんの名前も載っていた。
チェルフィッチュもSAL VANILLAも身体表現サークルもニアミスしつつ未見。唯一見られたのはKATHYくらいか‥‥でもKATHYはこれから追いかけると思う。ちょっと怖くてちょうラブリーなコンテンポラリーダンス

そういえば、マース・カニングハム meets コム・デ・ギャルソンとか、ローザス meets ドリス・ヴァン・ノッテンとか、コンテンポラリーダンス系はファッショナブルなコラボレーションが多い。KATHYgrafとのコラボだったし。逆に、シアタープロダクツとかニブロールのようにダンスから飛び出してしまうファッションプロジェクトもあるし。

美術手帖(amazon.co.jp)

KATHY http://www.zzkathyzz.com/
SAL VANILLA http://www.salvanilla.com/

・『MAC POWER』
ロンドンのフリーマガジン特集だったので立ち読み。モモネムさんに書いてもらった自主制作イベントと同じ頃に書かれた記事だと思う。もっとアート系が大きくできたらいっぱい書いてもらえるのに(ということはミニコミでやったらいいのか‥‥)。
それはさておきロンドンでもミニコミは未だにコピー本が多いらしい。どこいっても自主制作の人は好感が持てる。