ゆきがふった

雪がようやく東京にも降った。電車の中から外を見ながら、やっぱり雪景色が好きだと思う。

雪が降っていてもそれほど寒いとは思わない。実際、雪が降る前より降っている時のほうが温かいことは経験則で知っている。雪空の空気は意外と温かい。

地表面が凍てたままで道路に雪が残っていたら、明日の朝はばりばりの雪氷をざくざく踏んだりできるのに。でも東京の雪ではそんなふうにはならないことはわかっているので、冬の風物詩を勝手に頭に思い浮かべてみたりする。窓の水滴が凍ってできる雪の結晶、ざくざくの霜柱、パウダースノーが作る吹きだまり、除雪車の音、高い高い雪の壁‥‥。

そんなふうに考え考え歩いて帰ったら、マンションの前に小さい雪だるまがあった。絵に描いたようなちいさくてかわいい雪だるまだった。