ストロベリーショートケイクス

4人の女子が別々に描かれているけど、私はそれぞれの少しずつを内に持っている気がする。うっすらと感じていたそういう感覚も痛々しさも、映像になるとマンガの時よりずっと強くなる。

私の大好きな矢崎さんの新作は相変わらず好き嫌いがはっきり別れそうで、相変わらず男子にはわかってもらえなさそうで、相変わらずひっそりと一人で見に行くのが似合う作品だと思った。でも埋葬のシーン、ドアを開け放したトイレ、今にも取り壊されそうな古いマンション、がらんとして何もない部屋、四角い窓から見える月、ハットにサスペンダーの男の人、彼が映画によく使ってきたモチーフがたくさん潜ませてあったのが嬉しかった。ひさしぶりに感じる空気感は周囲に付随する情報が増えても変わらず残っていた。「三月のライオン」でハルオをやった趙さんの甥っ子さんが出ていたのも懐かしさを倍増させていた。