ル・コルビュジェ展

森美術館ル・コルビュジェ展へ
建築の勉強をしていないので大層な事は言えないけど、その昔リシツキーの研究をやっていた時に彼の「プロウン*1」や関連としてタトリンの建築作品などを見ていたので、近い物がある気がして楽しかった。
ロシア・アヴァンギャルドの芸術家がやった実験と建築家の製図の違いは平面に表した物が実際に形にできたかどうかだけだと思っていて、だから平面で3次元を表す過程や思考に関してはそれほど大きく違わないんじゃないかとも思うので。

建築図面や比率通りに再現したレプリカ展示が面白かった。レプリカはシュピレンゲル美術館にあるリシツキーの「展示室」*2に足を踏み入れた時の感覚を思い出させたし、幾何学抽象的な空間感覚や同時に起こっていた他の芸術運動の影響も含めて、アヴァンギャルドとの共通点を見いだせるような気がした。

正直な話、私はジャンヌレ名義で描かれたミロ風(って自分では思うけど実際はレジェに影響を受けている)の絵画とかにはまったく惹かれなかった。ピュリスムの作品は色合いや形がそぎ落とされている部分が面白いと思ったけど‥‥。そう考えると、今でこそ植物的だったり有機的なデザインモチーフなども好きだけど、自分は立方体や正方形のような幾何学形態好きがベースにあるんだと改めて思った。

*1:平面上に3次元を表現する実験の連作

*2:実際に部屋がそのデザインになっている。ちなみにカシミールというバンドが図面をそのままジャケに使っている