「青春のロシア・アヴァンギャルド」@Bunkamura


確かに“青春の”ロシア・アヴァンギャルドだった。ロシア・アヴァンギャルドまっただ中の作品というよりは、その時代に至るまで(と以降)の作品を括った展覧会。
サブタイトルにも名前があがったマレーヴィチがシュプレマティズムの中心として活躍していた頃の幾何学抽象作品は2点ほど。モスクワ市近代美術館括りだから仕方がないけど、やっぱりマレーヴィチなら「黒の正方形」や「白の上の白」が見たいと思ってしまう。後期の作品には実験性や面白みがまったくなくなっていたのが切ない。何が来るんだろうと不思議だったリシツキーは、イコン画辺りの時代の作品かと思ったら「プロウン」連作から2点でちょっと意外だった。ものすごくひさしぶりに「プロウン」の本物が見られたのはよかった。
一部でロシア国内でロシア・アヴァンギャルドが好意的に取られているように読める表現がされていたけど、今やそんなレベルにまで再評価がされているんだろうか。ペレストロイカ以降、国外で再評価されるまで美術史上から抹殺されていたのはロシア政府が弾圧を加えていたからってことは、今もし地位を回復していたとしてもすっ飛ばしてはいけない史実だと思うんだけどな。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_moscow/