見た物

    • 「チャロー! インディア インド美術の新時代」@森アートミュージアム

どぎつい色にペイントした玩具の影を薄い映像の光で映し出した作品(アナント・ジョシ「中心、そしてその他大勢」)、どことなく教会の椅子を思わせるN・S・ハルシャの椅子シリーズ(特に「子どもの頃は輝いていた」だかのゆりかごが頭に吊された作品)が好きだった。ハルシャのは「見る・見られる」という視点の転換がコンセプトらしく書かれていたけど、そういう理論を抜きにしても、インドと聞いてイメージする色彩とは異なるストイックさがあって、心に響く強度がある気はした。ただ自分の過去着てきた洋服を展示して歴史的な何かを示す、という手法はアネット・メサジェ展でも見たけど最近流行ってるんだろうか。
http://www.mori.art.museum/contents/india/

(写真は拾い物)
革命ものというだけで惹かれる私だけど、これは本当に面白かった。別に戦争の描写が好きなわけではなくそこに向かう人の思いや行動に焦点を充てる内容が好きなので、国連での演説シーンと当時が回想の形で挟み込まれるような人メインの展開はストライクだった。ゲバラが乗り移ったみたいなベニチオ・デル・トロの演技はさすがとしか言いようがない。きちんと学問を修めた人らしいゲバラの理論や軍隊を率いる様子、主張はリーダーとして筋が通っていて今の世で見ても感動する。キング牧師ヒトラー、今ならオバマか、内容の是非に関わらず歴史に残る人物はたいてい代表となるべき演説の記録を持っているけれど、彼もまさにそうだった。国連での演説シーンは今見てもゾクゾクとする。31日から公開される続編がすごく楽しみ。
チェ 28歳の革命チェ 39歳 別れの手紙 http://che.gyao.jp/