どこにも属さない

父が私に滋賀に戻るよ、と告げた時のことは今でも覚えている。きちんと正座をして向かい合って、お父さんの都合で滋賀に帰ることになったけどいいか、と言った。父が大事なことを話す時は、子どもにも大人と話すような丁寧な言葉を使っていた。
みんな知っているけれどみんな遠い。グループというものに属せない今の立ち位置を顧みる時、なぜかこの20年以上前のことが時々思い出される。