レニ・リーフェンシュタール「意志の勝利」@シアターN

やっと見た。あんなに強度のある映像を見たのはひさしぶりかもしれない。今だからこそナチスが作らせた戦意昂揚のための映像だとわかって見られるけれど、情報の少ない時代にあの圧倒的な作品を見せられたら知らず知らずと影響を受けるわ‥‥と思ってしまうすごさだった。鳥瞰と俯瞰、群集と個人、光とシルエットのコントラストがものすごくはっきりしている。その構造の美しさとミニマル感だけを見れば、「ソ連邦の建設」の映像版とも言えそうな感じ。こどもの笑顔と党のシンボルを近くに併置したり、高揚感のあるクラシックや行進曲を効果的に重ねたり、とか人の深層に訴えかけるギミックが満載。それだけの作品を作れる才能を持っていたからこそ、その後のレニの苦悩はさぞ深かったんだろうとは思うけれど。
シアターN http://www.theater-n.com/

USSR in Construction http://www.johnson-marshall.lib.ed.ac.uk/about/ussr.html